動物に聞く前にちょっと考えたい質問の続きですが、『してはいけない質問なんてない』これが大前提です。
だって、動物たちとお話しができるなら、いろんなことを聞いてみたい!ですもんね。
そのうえで、聞いた後のことにも少し目を向けてみると、ちがった観点が出てくるのではないかな。
ただ興味本位で自分の聞きたいことだけを一方的に聞くのではなくて、相手の動物の立や心情も思いやった対話ができたらいいな。そんな(おせっかいな)ものの見方のお誘いとしてお読みいただければ嬉しいです。
さて、今回取り上げる質問は
『どんなひどい目に遭ってきたの?』(保護動物たちの過去を知りたい)
【いま・ここ】でけんめいに生きている動物に比べて、この質問ってとても人間的。
保護施設から家族に迎えた動物が、実際にものすごく困った行動を繰り返していたり、心を開いてくれなかったりして、解決の糸口を探りたい場合ならとても有効で、ぜひ聞いてあげたい質問です。
一方、今は安心できるお家や居場所があり、差し迫って何かモンダイがあるわけでもない。共に暮らす生活に動物も幸せそうにしているなら、あえて過去をほじくり返すこともないなあと思っています。
人間という動物は “知る” ことにとても重きを置いていて、知ることが良いこと、知ることだけを目的にしてしまうこともあり、かえって動物に辛いことを思い出させるだけ、になることに思いが至らないこともあります。
聞かれたから素直に自分の過去を語った、としても、その日を境にいつもいつも、”かわいそうな過去”、”かわいそうな動物”と過去の話とセットにされ続けたら、動物もなかなかシンドイですね。
「え?でも、かわいそうな過去が分かったら、もっと愛せるし、もっと幸せにしてあげなきゃ!って思えるじゃないですか」そんな一理ありそうなお声も聞こえてきそうです。
けれども…
過去を知らないともっと愛することはできない、というのは本当かな?
それを聞いた後、自分はどうするのか?
何のために、相手の過去を知りたいのか?
想像力が豊かなニンゲン、そんな“対話のその先”をちょっと見ておきたいなと思うのです。
幸せに暮らすのに、もっと大好きになるのに、きっとなんの条件も要らない。
今の保護者となった自分が、その動物との毎日を楽しんで暮らすことができれば、それが動物にとっての一番の幸せではないかなあ。
どんなにひどい目にあっていたのか…前の、見ず知らずの飼い主の悪行を暴いて糾弾してやりたい、という思いも分かりますが… それって幸せを増やしていく材料になるかな?と考えることもできそうです。
前の飼い主がいかにひどかったとしても… 少なくとも当の動物は、今の新しい大切な人の心の中に、憎しみや悪口の材料を増やしたいとは思わないでしょう。
でもね、察する思いやりは大切です。
決して、とてもつらかったであろう、どんなにか大変だったであろう動物の来し方を、無かったことにしてハッピー!ハッピー!ってしていればいいんですよ、と言っているわけではありません。
「きっと大変なことがいろいろあったんだよね」
「本当につらいところをくぐり抜けてきたんだよね」
「もうそれもおしまいだよ!」
「本当に良くがんばったね。」
「あなたは強い子だね」
「何があったとしても、あなたがわたしのもとに来てくれたことが、本当にうれしいよ。」
「これからはずっと一緒だよ。」
「私なりにしかできないけれど、うんと幸せにしていくよ。」
「一緒の暮らしを楽しんでいこうね」
そんなふうにたくさん励ましの言葉をかけてあげたい。
言い尽くせない苦難を乗り越えて来たであろう動物をただ丸ごと受け入れて、今いっしょにいる奇跡のような出会いを心から喜んであげて欲しい。
それは、過去を知らなくても、今ある自分の気持ちだけで十分できることだと思うから。
◇◆◇ーーーーーー◇◆◇
この記事は 2020/2/28 の無料メールマガジン に掲載されたものに加筆修正したものです。
今後もメルマガのバックナンバーを順次アップしていきます!
引き続きどうぞお楽しみに!!
週1回、アニマルコミュニケーションのワンポイントレッスンをお届けしています。
最新のメールマガジン、ぜひご登録ください。
IIAC 最新情報お届け 無料メルマガ 購読する